今までは、家具選びといえばインテリアショップに足を運び、「部屋のイメージに合うか」「サイズは問題ないか」「予算内におさまるか」などを慎重に検討したうえで購入するのが主流でした。
ところが、2019年ごろから家具のサブスクリプションサービスが増えつつあり、「購入して所有」ではなく「レンタルして返す」という利用方法にシフトしつつあります。今まで以上に家具選びが気軽に、楽しくなったように感じます。
そこでこの記事では、家具のサブスクが利用できる人気サービス3社の比較紹介や、メリット・デメリットなどについてまとめました。家具のサブスクの利用を考えている方はぜひご参考に。
「サブスクリプション」とは
サブスクリプション(以下、サブスク)とは、商品ごとに購入金額を支払うのではなく、一定期間の利用権として料金を支払う方式のこと。
身近なサブスクとしては、音楽配信サービス「Spotify」や動画配信サービス「Netflix」があります。音楽だと、以前はCDや楽曲データごとに購入またはレンタルをしていました。映画も同様に、作品ごとに購入またはレンタルをしていたと思います。それが、サブスクリプションの登場により楽曲が月額〇円で聞き放題、映像が月額〇円で見放題という利用方法にシフトしていきました。
家具のサブスクにおいては、家具ごとに購入金額を支払うのではなく、家具ごとにレンタルができレンタル料を支払うものが一般的です。気に入った家具は購入することも可能な場合があります。
どこがおすすめ?家具のサブスク比較
2021年現在、家具のサブスクサービスを提供する企業はそこまで多くはありません。2019年ごろから少しずつ増えており、2020年に入り少し充実してきたかなという印象です。
ここでは、いくつかある家具のサブスクを提供している企業のうち、人気の3社をピックアップし比較しています。
サービス名 | airRoom | Subsclife | CLAS |
家具数 | 約1,000点 | 約700点 | 約500点 |
月額 | 月額500円~ | 月額500円~ | 月額400円~ |
利用期間 | 3ヵ月~ | 3ヵ月~ | 3ヵ月~ |
備考 | ・品ぞろえ豊富 ・観葉植物やカーテンなど幅広いラインナップ ・「大塚家具」と提携 |
・「journal standard Furniture」など有名ブランドの家具がレンタル可能 ・「バルミューダ」などの人気家電もレンタル可能 ・全国配送対応 |
・シンプルな家具が中心 ・調理家電やトレーニンググッズなどもレンタル可能 ・購入は不可 |
※2021年1月現在の情報
各社の詳細を見ていきましょう。
おすすめ!airRoom
サイト名 | airRoom |
家具数 | 約1,000点 |
月額 | 月額500円~ |
配送料 | 注文時:3,300円/点 返却時:3,300円/点 |
利用期間 | 3ヵ月~ |
組立・設置 | 〇 |
購入 | 〇 |
補償 | 〇 |
対応地域 | 東京都全域/埼玉県一部/千葉県全域/神奈川県全域 |
商品数1,000点以上と豊富で、カジュアルな家具を中心にレンタルできる『airRoom』。大型家具から観葉植物、インテリア雑貨、カーテンまで幅広いラインナップ。どの家具も比較的リーズナブルな価格設定なので、家具を一式レンタルしたい人のお財布にもやさしい。
2020年7月には「大塚家具」と提携し、安価な価格で上質な家具を利用できます。
対応地域がまだ関東の一部地域なので、お住いの地域が含まれていないようなら、『Subsclife』を利用してみてください。
Subsclife
サイト名 | Subsclife |
家具数 | 約700点 |
月額 | 月額500円~ |
配送料 | 商品によって異なる |
利用期間 | 3ヵ月~ |
組立・設置 | △ (商品による) |
購入 | 〇 |
補償 | 〇 |
対応地域 | 日本全国(一部離島を除く) |
「journal standard Furniture」など、有名ブランドの家具がサブスクできる『Subsclife』。どの家具もハイクオリティでハイセンス。そのため月額は高めに設定されていますが、定価では買えないような高価な家具をサブスクでリーズナブルにお試しできます。
家具だけではなく人気の家電「バルミューダ(BALMUDA)」などもレンタル可能。
配送は日本全国に対応しています。
CLAS
サイト名 | CLAS |
家具数 | 約500点 |
月額 | 月額400円~ |
配送料 | 商品によって異なる |
利用期間 | 3ヵ月~ |
組立・設置 | △ (商品による) |
購入 | × |
補償 | 〇 |
対応地域 | 東京都/神奈川県/埼玉県/千葉県/大阪府/京都府/兵庫県 |
消費者が選びやすいよう、シンプルなデザインの家具にこだわっている『CLAS』。商品数はそれほど多くはありませんが、どの家具もシンプルで家具のチョイスに統一感があります。
家具のほか、トレーニンググッズや調理家電の取り扱いもあります。
CLASの家具は、レンタルはできても、そのまま購入はできません。これにはきちんとした理由があります(以下、社長のインタビュー記事)。
家具を売ってしまうと、持つことにより制約が生まれてしまいますし、いつかは捨てられてしまうでしょう。しかし、サブスクリプション型のサービスで交換という形式であれば、我々の職人が可能な限り生まれ変わらせることができる。その方がずっと長持ちさせることができ、廃棄せざるを得ない家具を減らせる
返却をしてもらうことで、職人が定期的にメンテナンスができ、家具を長く使い続ける(多くの人に利用してもらう)ことができます。これは環境保護の観点からも大切なことですね。
サブスクのメリット・デメリット
さまざまな企業が提供している家具のサブスク。一見すると、「家具を安く利用できる」というメリットしか考えられませんが、実際はどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。説明していきます。
メリット
- 初期費用を安く抑えられる
- さまざまな家具を試せる
- 部屋に合わなくても返却ができる
- 処分に困ることがない
- 利用後に購入ができる
- 補償がつくことも
サイズもコストも大きい家具。購入してから「イメージと違う」なんてことになったら処分に困りますよね。そんなリスクを回避できるのがサブスクを利用する最大のメリット。
購入前に、「このサイズ間で大丈夫か」「部屋の雰囲気にあっているか」を確かめることができます。もしイメージと違っても利用期間後にほかの家具に買い替えれば良いだけ。そして、利用した家具が気に入ったらそのまま購入もできます。
つまり、コストをおさえられ、失敗なく家具のコーディネートをできるのがサブスクの良いところです。
デメリット
- 補償がつくとはいえ、使うのに気を遣う
- シェアリングサービスの性質上、新品ではなくセカンドハンド品(他の客が利用した商品)が届くことが多い
- 契約期限が決められている場合、すぐに返却ができない
- 契約期間の中途で解約すると手数料が発生する
- 利用料金が安価なので多くの家具を契約し、費用がかさむ可能性がある
- 何らかの理由で家具を返却できなくなった場合、違約金が発生する
- 回収時(返却時)に手数料が発生する
- 利用地域が限定されていることも
家具のサブスクは返すことを前提に利用するため、返すまではずっと「借りている」という感覚で使用します。補償がつくとはいえ、「もし、目立つシミを付けてしまったら…」と気を遣うはず。この点が家具の購入との大きな違いです。
また後述しますが、想定外のコストも意外とかかるため、「思ったよりも高かった」と後悔することもあるでしょう。
「やっぱりサブスクじゃなく、購入しようかな」とお考えの方は『【プロが厳選】安くておしゃれな家具通販サイトおすすめ7選』で紹介している家具屋もご参考に。レンタルするよりも安く家具を手に入れる可能性があります。
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意外と知らない!家具のサブスクでかかる費用
家具のサブスクでかかる費用は、月額のレンタル料金だけではありません。実際にかかる費用については意外と見落としやすいので注意してください。
費用の例
- 家具・家電のレンタル料(月額)
- 配送料・組立設置料(配送時)
- 再配送料(配送時)
- 交換手数料(交換時)
- 返却手数料(回収時)
登録料や初期費用は基本的にかかりません。家具をレンタルしたときに、その家具を自宅まで届けるための配送料と、毎月のレンタル料が発生します。
注意したいのが、不在時の再配達。サブスクによっては再配達になると、配送料が2重にかかってしまうことがあります。配送日は絶対に留守にしないように自宅で待機しましょう。
また、返却時には返却手数料が発生します。返却手数料は家具によって異なりますが、配送時の配送料と同じくらいと考えておきましょう。
このほかにも、サービスや利用の仕方によって別途料金が発生することがあります。分からないことがあれば、各サイトの「よくある質問」をチェックするか、直接問い合わせると良いでしょう。
計算例
例として、月額500円のソファを3ヵ月間サブスクしたときの費用を計算してみます。
配送料 | 3,000円 |
レンタル料 | 1,500円 |
設置・組立料 | 0円 |
返却料 | 3,000円 |
合計 | 7,500円 |
サブスクは最低契約期限が「3か月間」などと決められていることがほとんど。月額500円の家具をレンタルするのなら、最低でも1,500円は支払うことになります。
送料にも注目。配送料と返却料で意外とコストがかかってしまうことが分かるでしょう。配送料に関しては、家具通販サイトで一定金額以上を購入すると無料になることも多いので、この辺はサブスクのデメリットと言えますね。
返却料に関しては、レンタル途中で購入すれば発生しません。「試してから購入したい」という目的でサブスクを利用するなら、失敗がなくスマートに買い物ができますね。
どう利用する?家具のサブスク申込の流れ
家具を選択・注文
スマホやパソコンから、利用したい家具と期間を選んで注文。
商品やサイトによっては組立・設置料などがかかることがあるので事前に確認を。家具を受け取る(配送)
配送や設置は専門のスタッフが行います。ベッドやソファなどの大型家具は搬入経路の事前確認を。
不在時の再配送は有料となる場合があるので気を付けましょう。家具の利用開始
購入した家具と同じように普段の生活で利用します。
目立つ傷や汚れは修理費がかかることがありますが、通常の使用による傷や汚れなら問題ありません。家具を返却または購入
利用期間が終了したら返却をします。事前に連絡をしないと自動的に延長になってしまうこともあるので忘れずに。
気に入ったらそのまま購入もできます。
まとめ
これからの家具選びは、購入ではなくレンタルが主流になると思います。
買い替えが難しく、「失敗したらどうしよう…」という不安が尽きない家具選びでしたが、レンタルなら気軽に試せるので楽しく模様替えや引っ越しができるかと思います。
いろいろな家具を試すことは、インテリアセンスを磨くうえでも大切なこと。積極的に家具のサブスクを利用してセンスを磨いてみてくださいね。