イームズチェアを探しているときに、似たような形状の椅子を見かけたことがありませんか?
商品名をよく見ると、「DSW」や「DAW」と、アルファベット3文字の羅列が並んでいます。
実は、イームズチェアにはさまざまな種類が販売されており、デザインが微妙に異なるのです。この違いを区別しているのが、アルファベットの3文字。
でも、こんな機械的な分け方では、区別がしにくいですよね?
混乱しがちですが、イームズチェアの種類は大きく分けると以下の3つ。
- イームズシェルサイドチェア
- イームズシェルアームチェア
- イームズワイヤーチェア
それでは、もっと詳しくイームズチェアの種類を見ていきましょう。
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イームズシェルサイドチェアの種類
「シェルサイドチェア」は、アーム(ひじ掛け)がないベーシックなイームズチェアです。
アームがない代わりに、立ち座りが容易。横幅もタイトです。「シェルサイドチェア」は、頭文字が「DS」から始まるのが基本。
代表的なイームズシェルサイドチェアを4つご紹介します。
DSR
数あるイームズチェアで、もっともよく見かけるのが「DSR」。ダイニングハイサイドチェアRワイヤーベースの略です。
イームズチェアのなかでも人気があるデザインで、パリのエッフェル塔を思わせる「エッフェルベース」の脚が特徴的ですね。
ちなみに、DSRを屋外でも使用できるように強化した、「OUTSIDE」の名称がつくイームズシェルサイドチェアもあります。
DSW
DSRに次いでよく目にするのが「DSW」。ダイニングハイサイドチェアウッドベースの略です。
脚のワイヤーに木を通しているデザインが特徴的。木の色は、ナチュラル色のメープルからこげ茶のウォールナットなどがあります。
DSX
イームズチェアのデザインの中で、一番シンプルと言える「DSX」。ダイニングハイサイドチェアXベースの略です。
DSRに見慣れている私たちは、4本脚のDSXに違和感を感じるほどシンプルですね。
DSS
DSXに形状がよく似たイームズチェア「DSS」。ダイニングハイサイドチェアスタッキングベースの略です。
脚をよく見ると、DSXとは少し異なるのが分かると思います。椅子の両サイドに取り付けられたフックにより、左右の連結も実現したのです。スタッキング(積み重ね)も可能。
一般住宅では連結できても実用的ではありませんが、スタッキングが可能なのは便利ですね。
イームズシェルアームチェアの種類
「イームズシェルアームチェア」は、その名の通りイームズサイドチェアにアームが付いたもの。
アームがあるので、ゆっくりくつろぎたいときにおすすめ。アームがなくなると、「シェルサイドチェア」に分類されます。
「イームズシェルアームチェア」は、頭文字が「DA」から始まるのが基本。
代表的なイームズシェルアームチェアを4つご紹介します。
DAR
エッフェルベースのイームズシェルサイドチェアに、アームがついたバージョンが「DAR」。ダイニングハイアームチェアRワイヤーベースの略。
DAW
脚のワイヤーに木を通しているDSWに、アームを付けた「DAW」。ダイニングハイアームチェアチェアウッドベースの略。
DAX
シンプルな足のイームズチェアにアームが付いた「DSX」。ダイニングハイアームチェアチェアXベースの略。
RAR
エッフェルベースのイームズチェアの脚に、ロッカーが付いたバージョン。ロッキングチェアRワイヤーベースの略。
体重移動でゆらゆらと前後に動きます。伝統的なロッキングチェアとは異なり、イームズチェアならではのスタイリッシュなデザインが特徴。
イームズワイヤーチェアの種類
「イームズワイヤーチェア」は、シェルサイドチェアの本体部分が、ワイヤーに変更されているバージョンです。
使用されているワイヤーの数が最小限におさえられているのが特徴。ワイヤーメッシュがスタイリッシュで美しいですね。アメリカ初の意匠特許を取得した椅子としても有名です。
代表的なイームズワイヤーチェアを2つご紹介します。
DKR
「DKR」は、ダイニングハイKワイヤーシェルRワイヤーベースの略。長すぎて覚えられませんね。
エッフェルベースのイームズチェアのシルエットをそのままに、ワイヤーのデザインでブラッシュアップ。
座ったときに力が加わる部分に、ワイヤーを強化して作られています。外側の枠は、2本になっています。
ワイヤータイプは、他の種類に比べてかなり高額です。
DKR-5
DKRにシートが付属で付いている「DKR-5」。サイドチェアやアームチェアにも、「●●-5」という名称でシート付のイームズチェアがあります。
DKR-5には、レザーとファブリック(布)の2種類のシートがあります。
また、座面と背もたれにシートが付いた「DKR-2」というイームズチェアもあります。
イームズチェアの種類の選び方
これだけ種類があると、「どのイームズチェアを選べば良いの?」と迷いますよね。
イームズチェアを選ぶときは、まずはアームの有無を決めましょう。
くつろぎ派には「シェルアーム」
イームズチェアを使うシーンはさまざまですが、多くの場合、ダイニングチェアとして使うのではないでしょうか?
ダイニングで使う場合は、アーム付きがおすすめ。欧米では「ダイニングチェア=アームあり」が一般的なのです。
シェルサイドチェアよりも座面に少しだけ余裕があり、アームがついているので肘を置いてくつろげます。
立ち座りが多いなら「シェルサイド」
ダイニングで立ち座りが多ければ、シェルサイドチェアの方が便利。
日本の住宅では、「ダイニングでゆっくり過ごす」という文化が定着していないため、アームがなくても良いかもしれません。
横幅はイームズシェルアームチェアより10cmも狭いため、日本の住宅には向いているでしょう。
まとめ
イームズチェアは「DSW」や「DAW」などと紛らわしい名称がありますが、基本的に頭文字にDが付きます。
Dはダイニングチェアの略。これを基本に、アームがない「シェルサイド」とアームのある「シェルアーム」、「ワイヤー」に分けられます。
D以外には、頭文字に「P」「R」がつくイームズチェアがあります。Pはピポッドの略で、キャスター付きのイームズチェアを指します。Rはロッキング。アームチェアにありましたね。
イームズチェアを選ぶときは、アームのありなしを基準にして選ぶと良いです。
正規品が高額で手を出せない場合は、リプロダクト品の購入も検討してみてください。私はリプロダクトを選びました。
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