ソファを選ぶときに、「布にしようか、それとも革が良いかな?」と悩むことってありますよね?
私がインテリアショップで働いていた時も、お客様からよく質問されました。
ソファに使われる素材には、主に3つあります。
- 布
- 本革(天然皮革)
- 合皮(合成皮革)
それぞれ見た目や肌触りだけではなく、機能面でも大きな違いがあります。
では、どの素材のソファを選ぶべきか?この記事でメリット・デメリットを解説するので、比較しながら検討していきましょう。
関連記事 ソファの張り地は「布地」「天然皮革」「合成皮革」のどれが良いか?
布のメリットとデメリット
表面がツルツルした質感である「本革」「合皮」に対して、「布」はやわらかい見た目があります。
布のメリット
- ソフトな風合いが特徴
- 色や柄のバリュエーションが豊富
- カバーリングタイプがある
- 値段が安い
布のソファは、肌触りがソフトで、カジュアルな雰囲気を演出しやすいことが特徴。
革に比べて色・柄・質感の幅が広く、部屋の雰囲気に合ったソファを見つけやすいメリットもあります。
カバーリングタイプのソファ(布が取り外せるタイプ)を選べば、季節や気分によって張地を変えることも可能。クリーニングにも出せるので、衛生的な状態を保てますね。
布は革に比べて低価格なソファの販売が多いため、若い世代にも好まれる素材です。
布のデメリット
- 高級感を演出しにくい
- 繊維の間にゴミが入りやすい
- 汚れが染みつきやすい
- 毛玉ができる
布は、いくつもの繊維が織りなってできている素材なので、繊維の間にゴミやホコリが入り込みやすい欠点があります。
掃除を怠ると、ソファと衣類の繊維が絡まって毛玉ができることも。
また、革に比べて汚れが染み付きやすく、落とすのも大変。不衛生な状態で使い続けると、ハウスダストなどのアレルギー反応を引き起こす危険もあります。
さらに、カジュアルな雰囲気を演出しやすい反面、高級感を演出しにくいデメリットもあります。
布のデメリットを解消するには?
布のデメリットを解消するためには、カバーリングタイプを選び、常に衛生的に保つことが必要です。
デザイン面では、ソファの脚やフォルムをモダンに近づけることで、高級感のある雰囲気を演出できます。
本革(天然皮革)のメリットとデメリット
革にも、「本革(天然皮革)」と「合皮(合成皮革)」があります。
本革は、動物の皮を使った天然の素材です。本革にも「牛革」と「豚革」がありますが、豚革は安っぽく痛みやすいため、牛革をおすすめします。
本革のメリット
- ホコリやダニが吸着しにくい
- 吸湿性・通気性に優れ、蒸れにくい
- 人の体温になじむので暖かい
- 経年変化を楽しめる
- 高級感やクラシックな雰囲気を演出できる
「革のソファは冷たい」と言う人がいますが、本当は温かみのある素材であることをご存じでしょうか?
たしかに、革の表面は冬に冷たくなりますが、座ると人の体温に合わせて温かくなります。合皮では再現できない、天然素材ならではのメリットです。
また、合皮や布に比べて、吸湿性・通気性・耐熱性に優れているメリットもあります。蒸れにくく、湿気の多い日本の気候にも適した素材といえますね。
本革には、ホコリやダニが付着しにくいというメリットもあります。ソファの表面に付いたゴミは、掃除機で簡単に吸い取ることが可能。
使い込むほどに風合いが増す点も、本革を選ぶメリットです。歳月とともに、独特の色合いや素材感を楽しむことができます。
本革のデメリット
- 定期的なメンテナンスが必要
- 置く場所が限られる
- 水に弱い
- 座った瞬間は冷たい
- 布や合皮に比べて高価
天然素材である本革は、こまめなメンテナンスが必要です。革専用のクリーナーを定期的に塗らなくてはいけないので、手入れが面倒だと感じる人にはおすすめできません。
直射日光を受けると日焼けしたり生地が傷むため、置く場所が限られるデメリットもあります。
吸湿性のある素材ですが、耐水性はないため水に弱い欠点もあります。お茶をこぼしたり、お風呂上がりの濡れた髪はソファを傷めます。
価格帯も高めで、革の質や厚みによって値段がさらに高くなります。
本革のデメリットを解消するには?
水や日当たりによる素材の痛みが気になるのであれば、使わないときは布で表面を覆うなどの対策をしましょう。ダメージをカバーできます。
本革は定期的なメンテナンスを続ければ、経年変化を楽しむことができる素材です。面倒ですが、「ソファが好き」という気持ちで手入れを続ければ、傷や汚れにも愛着が湧くでしょう。
合皮(合成皮革)のメリットとデメリット
合皮は、革に似せて作った人工的な素材です。主に塩化ビニールなどが使用され、「PU」や「PVC」と表記されます。
レザーと表記があっても、数万円のソファは合皮である可能性が高いので、よく確認しましょう。
合皮のメリット
- 本革に比べて安い
- 手入れが楽
- 色のバリュエーションが豊富
合皮は量産できる素材であるため、天然皮革よりも安いことが最大のメリット。家具屋によって差があるものの、価格帯は3~6万円台が中心です。
水や汚れにも強く、短期的には変色もしにくい素材です。汚れが付いても中性洗剤で拭き取れば落ちるので、手入れも簡単。
人工的な素材なので、色のバリュエーションも豊富。天然皮革にはない色を楽しむことができます。
合皮のデメリット
- 通気性や吸湿性に劣る
- 本革に比べて安っぽく見える
- 経年劣化する
天然の素材ではないため、本革に比べて通気性や吸湿性に劣ります。湿気を逃がさないので、長時間座っていると蒸れることがあります。
安いものだと手触りが固く、チープに見える場合も。
本革のように経年変化を楽しむこともできず、使っているうちにどんどん劣化します。長期的に使うことを考えているのなら、おすすめしない素材です。
合皮のデメリットを解消するには?
安いことが魅力の合皮ですが、安すぎるものはすぐにダメになります。多少は高くても、質の良い合皮を選びましょう。
ソファの素材はどれがおすすめ?
「カジュアルな雰囲気が好き」「幅広い価格やデザインから選びたい」のであれば、布のソファがおすすめ。
カバーリングタイプを選べば、気分や季節によって印象を変えられるのも魅力。汚れても交換ができます。価格帯も安いものからそろっています。
「高級感を演出したい」「長く使い続けたい」のであれば、本革のソファがおすすめ。
愛情を持って手入れを続ければ、経年変化による独特の風合いを楽しむことができます。
「革が欲しいけど高くて買えない」「手入れが面倒」と思っているのなら、合皮がおすすめです。
風合いや手触りは本革に劣りますが、汚れが付きにくく、メンテナンスの必要がありません。
まとめ
ソファの素材には、「布」「本革」「合皮」の3種類があります。それぞれのメリット・デメリットは以下の通り。
素材 | メリット | デメリット |
布 | 安くて色や柄の選択肢が豊富 | 汚れやすく手入れがしにくい |
本革 | 使い込むほどに味わいが出る | 高価で手入れが大変 |
合皮 | 革の質感を安価に楽しめる | 使うほどに劣化する |
素材によって、見た目・機能・値段に違いが現れるので、ご自身のライフスタイルやインテリアの好み、予算に応じてソファを選びましょう。
また、ソファはサイズ選びも重要です。「部屋に入るか」も大事ですが、「使用目的に合った大きさか」も考えて選びましょう。
-
失敗しない!ソファの正しい選び方
どのくらいの大きさのソファを選ぶべきか?どんな座り心地のソファを選ぶべきか?どの張り地のソファを選ぶべきか?元家具屋がイラスト付きで分かりやすく解説。
続きを見る