雑貨をディスプレイしたけど「なんかおしゃれに見えない」と悩んだ経験はありませんか?
自分の感覚に頼って雑貨をディスプレイするのは難しいもの。ネットでもさまざまな実例が紹介されていますが、いざ実践しても、思うようにいかない人も多いはず。
そこでこの記事では、インテリアコーディネーターがおしゃれな雑貨のディスプレイのコツをご紹介します。
店舗のディスプレイで悩んでいる店員さんや、住宅のコーディネートで困っている人へのご参考になります。
初心者が心得るべきディスプレイの基本ルール
好きな雑貨に囲まれた生活は、それだけで毎日が豊かになります。
しかし、何も考えずに雑貨をディスプレイしても、散らかった印象にしか見えません。
美しく見せるディスプレイのルールは決まっています。まずは、基本のルールを把握しましょう。
好きなモノだけ集めない
雑貨のディスプレイでもっとも大切なことは、インテリアとの調和です。
インテリアとのバランスを無視して、好きなテイストの雑貨だけを購入すると、ディスプレイしたときに違和感を覚えます。ファッションでは、「好きな服」と「似合う服」は別ですよね?
雑貨も空間の一部ですので、インテリアとのバランスを考えて選ぶことが大切です。背景となる壁や、周りの家具を意識して雑貨をディスプレイしましょう。
カラーは3つに絞る
インテリアのカラーコーディネートの基本でもありますが、雑貨のディスプレイでも、飾るモノの色は3つに限定しましょう。
さまざまな色が混在していると、全体のディスプレイを見たときに「まとまり」が感じられません。
雑貨の色を3つ選ぶときも、部屋とのバランスを意識してください。
たとえば、床や扉に使われている木部の色を2つ、その色の反対色を1つ選んで雑貨をディスプレイすると、空間全体で見たときにまとまって見えます。
素材に統一感を
雑貨の素材には、木や金属、ガラスなどがあり、それぞれが空間に与える印象が大きく異なります。
たとえば、「木」は温かみを感じさせますが、「金属」は冷たい印象を与えます。
さまざまな素材を組み合わせるほどおしゃれに見えますが、それなりのテクニックとセンスが必要です。自信がない人は、ディスプレイする雑貨の素材を1つか2つに絞りましょう。
「小さい雑貨だけ」はNG
「失敗したくない」からと言って、小さい雑貨を集める人が多いですが、これこそが間違い。
チマチマした雑貨だけがディスプレイされていては、存在感がなくて目立ちにくくなります。
雑貨はインテリアのスパイス。ディスプレイするなら存在感が大切です。小さい雑貨だけではなく、大きくて存在感のある雑貨もディスプレイしましょう。
ディスプレイの2つのベーススタイル
雑貨のディスプレイの基本ルールが分かったら、実際に「どういう飾り方があるのか」を学びましょう。
雑貨のディスプレイのベーシックなスタイルは以下の2つ。
- 規則性を意識したモダンなスタイル
- 三角形を意識した崩しのスタイル
インテリアの雰囲気に合わせて、雑貨のディスプレイのスタイルを選びましょう。
規則性を意識するスタイル
モダンなディスプレイを目指したい場合は、規則的に雑貨を並べます。
モダンな雑貨のディスプレイのコツは以下の3つ。
- 素材や色を統一させる
- 高さや大きさをそろえる
- 同じ間隔で並べる
似たような雑貨を規則的にディスプレイすることで、引き締まった美しい空間が演出できます。
雑貨の素材や大きさがそろっていない場合は、規則性が生まれにくいのでモダンなディスプレイには適しません。
また、サイズが小さすぎる雑貨は、まとめてディスプレイしたほうが効果的です。
三角形を意識するスタイル
雑貨のディスプレイでもっとも有名なスタイルが、三角形を意識すること。失敗が少なく、さまざまな形や素材の雑貨をディスプレイするときに効果的です。
三角形のカタチは、正三角形でも二等辺三角形でも問題ありません。
より美しいディスプレイに見せたい人は、余白を意識しましょう。8:2くらいの割合でどちらかに雑貨を寄せ、1カ所にまとめることがポイントです。
いろんな場所に雑貨がディスプレイしてあると目線が定まりませんが、ひとつの場所に集めることで、見る人を落ち着かせます。
「インテリアが少しカッチリしすぎた」ときにも効果的な「崩し」のディスプレイです。
雑貨の素材別の特徴と飾り方
雑貨といっても、その種類は実にさまざま。ここからは、雑貨の素材別にディスプレイのコツをご紹介します。
ガラスのディスプレイ
透過性のあるガラスは、金属ほど重たい印象もなく、清潔感とシャープな印象を程よく持ち合わせた素材。色や質感も豊富で、他の雑貨と一緒にディスプレイしてもなじみやすい特徴があります。
雑貨をディスプレイしたときに物足りなさを感じたら、スパイス代わりに付け加えると良いでしょう。光が良く入る窓際にディスプレイすれば、明るくてクリアなイメージが広がります。
陶磁器のディスプレイ
陶磁器とは、食器や花瓶のことを指します。ガラスや金属よりもやわらかいイメージが特徴です。
陶磁器も色や質感がさまざまです。インテリアとのバランスを意識して選びましょう。
金属のディスプレイ
金属の雑貨は、ディスプレイするだけで全体を引き締める効果が高い素材。
ディスプレイで気を付けたいポイントは、金属同士の種類をそろえることです。シルバーやステンレスなど種類が豊富ですが、素材の統一感さえ意識すれば、全体がまとまって見えます。
装飾性の高い金属の雑貨もありますが、華美になりすぎると重たい印象が生まれるので注意しましょう。
鏡のディスプレイ
部屋を映しこむ鏡には、空間を広く見せる効果があります。また、生け花や観葉植物を鏡の前にディスプレイすれば、緑の面積が多く見えます。
鏡のフレームは、家具の色やテイストと合わせること。ナチュラルな色の床の場合は、フレームもナチュラル色を選ぶと相性が良いです。
観葉植物のディスプレイ
空間に無機質な印象を感じたときは、潤いをあたえる観葉植物をディスプレイしましょう。
観葉植物を選ぶときは、葉の色や形状、茎の太さなどに気を付けましょう。たとえば、モダンなインテリアにはサンセベリア、アジアンな部屋にはモンステラなどが相性が良いです。
棚に雑貨を飾るときの3つのポイント
見せたい雑貨は目線の位置に
飾り棚や本棚に雑貨をディスプレイするときは、目線の高さを意識します。最初に目が行く場所に雑貨を並べると、自然と目線が定まります。
下の方に見せたいモノをディスプレイするのはおすすめしません。
重いものは下が落ち着く
本は重い雑貨なので、一番上の段に並べるとバランスが悪くて落ち着きません。本や重量感のある雑貨のディスプレイは下に飾るのが基本です。
本は立てて並べるのも良いですが、横に積み重ねてディスプレイするのも面白みが出ます。
余白を意識する
ひとつの棚にありったけの雑貨をディスプレイすると、窮屈で余裕が感じられません。棚にディスプレイするときは、余白を意識しましょう。
たとえば、左右どちらかに雑貨を寄せるだけで、ゆとりが生まれておしゃれに見えます。すべて左右どちらかに寄せてしまうとバランスが悪いので、ジグザグを意識してディスプレイしましょう。
ディスプレイ上級者を目指す人へのアドバイス
雑貨のディスプレイに少し慣れてくると、「単調になりすぎてつまらない」「他人と差がつくような工夫をしたい」と意識が高まってくると思います。
そんな人におすすめしたい方法が、さまざまな素材の雑貨を組み合わせてディスプレイすることです。
たとえば、温もりのある木の素材だけ並べても物足りなさを感じますが、そこに金属やガラスの雑貨をディスプレイすると空間が引き締まります。
また、「背の高い・低い」や「重そう・軽そう」など、高さや重量感の対比も意識して飾ると、ワンランク上の雑貨のディスプレイが生まれます。
まとめ
雑貨のディスプレイのコツをまとめます。
- 雑貨はインテリアとのバランスを考えて選ぶ
- 存在感のある雑貨をディスプレイする
- モダンに見せたいなら雑貨の形や色を統一する
- 雑貨に統一感がないなら三角形を意識して飾る
- ワンランク上を目指すなら対比を意識した素材を飾る
雑貨はインテリアのアクセントとして重要な役割を担いますが、飾りすぎると、ひとつひとつの個性が生かされません。目線が定まらなく、雑然としたディスプレイにも見えます。
手持ちの雑貨をすべてディスプレイするのではなく、おしゃれに見える飾り方を意識して、引き算することも重要です。
雑貨のディスプレイのセンスは、失敗を繰り返すことで鍛えられます。季節ごとに雑貨のディスプレイを変えたりして、上級者を目指してくださいね。