安くてかわいい家具や雑貨が手に入るインテリアショップ「IKEA」。
一度でも店舗を訪れたことがある人なら、「買う予定ではなかった商品を、いつの間にカゴに入れ、レジへと進んでいた」という経験があるのでは?
このような衝動買いをしてしまう原因は、IKEAの商品が魅力的で安いという理由だけではなく、巧みな経営戦略にあるのです。
どんな巧妙なトリックが隠されているのか?解説します。
衝動買いの原因は「グルーエン効果」
ある建築家が、こう説きました。
人は混乱するほど、物を買ってしまう。
都市計画プランナーであり、大型ショッピングセンターの生みの親「ビクター・グルーエン」です。
彼は、人は迷路のような店内をグルグルと回っているうちに、当初の目的を忘れ、衝動買いに走ることを発見したのです。この行動心理を「グルーエン効果」と呼びます。
IKEAの迷路のような店内に秘密あり
IKEAの店内を思い出してみてください。あるいは、今IKEAにいる方は、店内を見渡してみてください。
お店に踏み入れると、順路通りに進むように促されますよね?
順路はまっすぐに伸びた一本道ではなく、迷路のように複雑に入り組んでおり、探してもいない家具や雑貨が目につくでしょう。
このIKEAの難解な順路を歩いているうちに、私たちは正確な判断能力を奪われます。
そこに、「安くてかわいい雑貨」「便利そうな日用品」が並べられていたら?思わず手に取り、カゴに入れ、お会計をしてしまうはず。
「いや、ウソでしょ」「そんなわけがない」と疑う人もいるかもしれません。
でも、人間は私たちが思っている以上に、単純な生き物なのです。私たちは知らぬ間に、彼らに踊らされているのです。
グルーエン効果を狙ったお店は他にもある
「グルーエン効果」を狙った店舗設計は、IKEAに限った話ではありません。大型のショッピングモール、アウトレットなどにも応用されています。
最近では、デンマークの雑貨屋「フライングタイガー」なども該当するでしょう。狭いながらも順路通りに進ませ、スペースを有効に使っていますよね。
他にも、いろんな店舗で採用されています。
最短距離で目的の商品へと進ませず、「あえて順路通りに進ませる」「あえて滞在時間を延ばす」というお店を発見したら、グルーエン効果を狙っているかもしれません。
こういう視点でお店を探すのも、楽しいですよ。
まとめ
私たちがIKEAで衝動買いしてしまう原因は、迷路のように複雑な順路にあります。
滞在時間を長くし、混乱させ、本来買う予定でもなかった商品を手にさせるのです。
この行動心理を発見したのが、建築家グルーエン。彼に由来して「グルーエン効果」と名付けられ、IKEAの店舗設計でも応用されています。
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