インテリアショップで働いていたとき、枕を選んでいる多くのお客様が、手で触った感触だけで、枕の良し悪しを判断していました。
たしかに、手で触った感触の好みも大切ですが、自分に合った枕を選ぶには手で触れただけでは判断できません。
では、どんな選び方をすれば、自分に合った枕に巡り合えるのでしょうか?この記事でポイントを3つご紹介します。
関連記事 「やわらかい」と「かたい」どっちが良い?マットレスのかたさの選び方
自分に合った枕の選び方
自分に合った枕選びのポイントは、
- 適切な高さ
- 横幅が十分にある
- 寝返りがしやすい
の3つ。
適切な高さ
自分に合った枕を探すうえで、もっとも意識したいのが枕の高さ。一般的には、仰向けで寝たときのあごの傾斜が約5~10度になるくらいの高さが良いとされています。
枕が適切な高さではないと、首が不自然な形に折れ曲がり、首を通っている神経が圧迫されます。
首は頭と体をつなぐ連結部分であり、大切な神経が集中している場所。そんな大切な神経が通っている首を、不自然な角度に折り曲げ続けていると、体のいたるところに支障をきたすのです。結果的に、「寝ても疲れが取れない」などの症状を生みます。
枕が高すぎると神経を圧迫し、逆に低すぎても気道を圧迫して睡眠の質を下げます。自分に合った枕に出会うためには、適切な高さであるか?を確認しましょう。
寝返りがしやすい
枕選びでは、寝返りのしやすさも重要です。頭が沈み込み過ぎないような枕や、寝返りのしやすい構造の枕は快眠ができます。
人は、寝ている間に20~30回程度の寝返りを打ちます。寝返りを打つ理由は、「体温の調整」と「体液の循環」の2つ。
同じ状態でずっと眠り続けている(寝返りがしにくい)と、布団や毛布と体の間に熱がこもります。さらに、体のどこか一点に負荷が集中することで、血管や神経を圧迫し続けます。
こんな状態が続くと、「体の疲労をとるための睡眠」が「疲労のたまる睡眠」に変わります。だから、人は寝返りをするのです。
ところが、頭が沈み込み過ぎる枕を使用すると、頭がスッポリはまって寝返りが困難になります。
枕を選ぶときは、頭のフィット感よりも、寝返りがスムーズに行える形状を選びましょう。
横幅が十分にある
高さに並んで重要になるのが、枕の横幅です。
枕の横幅が極端に狭いと、寝返りをしたときに頭が枕から落っこちます。頭が枕から落ちてしまうと、睡眠を妨げる原因になります。
寝返りを打ったときに頭が落ちないように、十分な幅がある枕を選びましょう。
枕選びのよくある失敗例
枕選びでありがちな失敗例をご紹介します。「自分に合った枕がなかなか探せない」と悩む方は、ご参考にしてください。
値段だけで枕の良し悪しを判断
不眠症に悩む人が急増し、枕産業もにぎわいを見せています。その悩みに浸け込んで登場したのが、数万円もするような高額な枕。
健康意識が高い人ほど、ネットなどのさまざまな情報に踊らされ、数万円もするような高額な枕を購入してしまいがち。
ところが、「自分に合った枕」と「値段」はまったく関係がありません。
高額な枕は構造や素材などに工夫がされていますが、枕にそこまで複雑な構造も、特別な素材も必要ありません。
きちんと正しい選び方を心得ていれば、数千円の枕で十分です。
「自分の好み」で枕を選ぶ
あなたは、枕に対して「こだわり」がありますか?
「フカフカした羽毛枕が良い」「高さがある枕が自分に合ってる」など、人それぞれ好みがあるはず。
でも、自分の好みが単なる思い込みだとしたら、枕の選び方を根本的に間違えています。
フカフカした羽毛枕は、頭が沈み込みすぎて脳に血がたまり、睡眠の質を下げる可能性があります。逆に高さがありすぎても、気道が圧迫されて呼吸が難しくなります。
まとめ
枕を選ぶときは、実際に寝てみて、仰向けで寝たときのあごの傾斜が約5~10度になるくらいの高さになっているか?確認しましょう。
寝返りのしやすさも大切なので、枕の上で頭を左右に振ってみて、スムーズに寝返りが打てるか?もチェックしてください。同時に、寝返りをしたときに頭が落ちない程度の十分な横幅があるか?も確認します。
-
快適に寝られるベッドフレームとマットレスの選び方まとめ
ベッドフレームとマットレスの選び方を図解!ベッドフレームのサイズやデザインの選び方、マットレスのかたさの選び方について詳しく解説します。はじめてベッドを購入する方はぜひ参考に。
続きを見る