インテリアの天井や壁紙には、一般的に白が使われています。
賃貸住宅では当たり前のように使われ、新築で壁紙を選ぶときも、何の疑問も持たずに白を選ぶでしょう。
内装の常識ともいえる白い壁紙ですが、実は、落ち着かなくて居心地が悪くなるのです。
では、なぜ壁紙に白を使うのはダメなのか?その理由について解説します。
新築の壁紙の色を選ぶ機会がある人や、ペンキで壁紙を白に塗ろうと思っている人は、しっかりチェックしましょう。
白は圧迫感を与える膨張色
「壁紙に白を使うと、部屋が広く見える」という話をよく耳にするでしょう。
たしかに、黒や茶のような重苦しい色とは異なり、白は軽やなイメージ。色の好みもないので、天井や壁紙に積極的に使われています。
しかし、白は光りを100%反射するので、目がチカチカするばかりではなく、膨張して見えるのです。
光りがあたっていなければ白も目立ちませんが、住宅には光が必要。
太陽の自然光や照明が白い壁紙にあたり、光りが反射することで、太陽を見ているときのようなまぶしさを感じます。
晴れた日にスキーに行ったことがある人なら、白い雪の反射でまぶしい思いをしたことがあるでしょう。
それと同じ現象が起きるのです。
つまり、膨張色である白を壁紙を使うと、圧迫感を感じさせて疲労感や体調を崩しやすくなるのです。
壁紙の色が人に与える影響
「でも、色がそこまで人の心理に大きく影響するの?」と疑問に思いますよね。
色が人の心理に大きく働きかけることは、研究で明らかになっています。
アメリカの大学の論文によると、「赤い部屋と青い部屋にいたとき、室温は全く一緒なのに体感温度に3度以上の誤差があった」というデータがあります。
マクドナルドやケンタッキーをはじめとしたファーストフード店でも色を巧み使っています。
ファーストフード店のイメージカラーといえば「赤」。赤は躍動的で食を連想させる一方で、見る人には緊張感も与えることも。
食事をしているときはそれほど気になりませんが、心理的にはプレッシャーを感じ続けています。居心地を微妙に悪くして、回転率を良くしているのです。
人に色に大きく影響されているのです。
くつろげる壁紙の色とは?
「私の家、壁紙が白なんだけど」なんて思っても、慌てないでください。
あなたの家の壁や天井をじっくり見てください。壁紙は白でしょうか?
多くの住宅は真っ白な壁紙などは使いません。ベージュに近い色や少しくすんだ白を採用しています。光りの反射率が低く、膨張して見えないからです。
また、「もっとくつろげる空間にしたい!」と思っているなら、ベージュやパステルカラーなどの淡い色を選ぶと良いです。
ベーシックなカラーなのでコーディネートもしやすく、空間に圧迫感を感じされません。
和室にいるとリラックスできる理由のひとつに、壁紙に白が一切使われていないのも納得できるでしょう。
まとめ
色は見る人の心理に大きく影響するので、使い方には十分な注意が必要。
真っ白の壁紙は一般的な住宅では使われませんが、ご自身で壁紙の色を選んだり、壁紙や家具にペンキを塗る機会があれば、真っ白は避けましょう。
少しくすんだ色やベージュに近い白にシフトすると落ち着きます。
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