掛け布団の中でも人気のある羽毛。みなさんも使用されているのではないでしょうか?
暖かくて軽いのが特徴の羽毛布団ですが、最近になって「産地が偽装されているのではないか」という波紋が広がっています。
「私の羽毛布団、ちょっと寒いかも」と心当たりがあれば要注意。産地が偽装されている可能性があります。
そこでこの記事では、羽毛布団の産地偽装について詳しく取り上げるとともに、どこで購入すれば安心できるのかを紹介します。
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そもそも「羽毛布団」って何?
羽毛布団とは、ガチョウやカモなどの胸のあたりに生えている毛(ダウン)が、詰め物の50%以上使用されている布団を指します。
ダウンの割合が50%未満になると、グレードの低い「羽根(フェザー)布団」に分類されます。
羽毛布団の質を決めるのはダウンの比率の他、鳥の種類や育った地域も影響します。
寒い地域と温かい地域ではダウンの質に差が生まれるので、羽毛の産地は重要なのです。
羽毛布団の産地偽装とは?
羽毛布団の国内販売枚数は約320万枚で、約半数がフランスやハンガリーなどの欧米産として販売されているという。しかし財務省の統計では、2015年の羽毛の輸入実績は中国が最も多く、完成品の布団として輸入された約190万枚のうち約165万枚を占めた。
出典:羽毛布団、産地偽装横行か 「フランス産の半分以上が疑い」 - 産経ニュース
簡単に要約すると、「ヨーロッパ産として売られていた羽毛布団の約半数が、中国産である可能性が高い」ことを言っています。
ヨーロッパ産の羽毛の「輸入量」と「販売量」が大きく異なっていたために、羽毛布団の産地偽装が発覚しました。
高級品であるフランス産やハンガリー産の羽毛を、中国産と偽装することで、付加価値を付けて消費者に高く売りつけていたのです。
ヨーロッパ産と中国産の羽毛布団の違い
では、「ヨーロッパ産」と「中国産」では何が違うのでしょうか?産地による羽毛布団の質の差について解説します。
ヨーロッパ産は丈夫で暖かい
羽毛布団の産地で有名なヨーロッパの国は、ハンガリーやポーランド。
これらの緯度が高い産地で育ったガチョウやカモの羽毛は、寒さから守るために丈夫で分厚くなります。
そのため、ヨーロッパ産の羽毛を使った布団は、暖かく丈夫に仕上がるのです。
中国産は薄くて寒い
一方の中国をはじめとしたアジア諸国は温かいため、ガチョウやカモが寒さから身を守る必要がありません。
逆に、暑さや湿気から逃れるため、ガチョウやカモの羽毛が薄くなります。
中国産の羽毛はヨーロッパに比べて薄いので、寒くてすぐに使い物にならなくなる「粗悪品」というわけです。
産地偽装にダマされない!羽毛布団の見分け方
すでに産地偽装された羽毛布団は、市場に多く出回っています。しかも、一般消費者には見分けるのが非常に難しいので注意が必要です。
通販サイトは注意が必要
素人が羽毛布団の中身を空けても、見た目で産地偽装を見分けることはできませんし、通販サイトで購入する場合は中身の確認ができません。
販売者がヨーロッパ産と言い張れば「そういうものなのか」と納得してしまうでしょう。
しかし、そんな悪徳業者にだまされて、産地を偽装した質の悪い羽毛布団を高額で購入するのは悔しいですよね?
産地偽装の羽毛布団を購入しないためには、「原産地証明書」を提示できる業者で購入しましょう。
「原産地証明書」がある羽毛は安心できる
「原産地証明書」とは、羽毛布団の産地がフランス産であるか確認ができる書類です。
たとえば、布団メーカーの老舗である「昭和西川」では、以下のような公式文章を発表しています。
一部新聞紙上で「羽毛ふとん産地表示」に関する報道がございました。
弊社の羽毛ふとん製品に使用している原材料においては、日本羽毛製品協同組合の基準に従い、産地国を証明する「原産地証明書」での管理はじめ、適切な手順に基づき、産地表示を行っております。また製品におきましても厳正な品質管理を行っており、お客さまには安心と安全、そして信頼していただける羽毛製品をご提供しております。
出典:羽毛ふとん産地表示に関する一部新聞報道について 昭和西川株式会社
不安であれば証明書を見せてもらえるので、お店に問い合わせてみましょう。
まとめ
羽毛布団の質は、産地などが影響します。
ヨーロッパなどの寒い地域の羽毛は良質ですが、中国などの暖かい地域の羽毛は質が劣ります。
中国産の羽毛布団をフランスやハンガリー産として販売されている可能性もあるので、不安であれば、購入店に「原産地証明書」の提示を求めましょう。
また、羽毛布団の質を左右するのは、産地ではありません。ダウンやフェザーの比率も重要です。
温かい羽毛布団を手に入れるためには、ダウンの比率が高いことが重要です。
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