6畳の部屋に家具をレイアウトしても、「部屋が狭く感じる」「ゴチャゴチャした感じになる」と悩んだ経験はありませんか?
インテリアのレイアウトって、意外と難しいですよね。「どうすればおしゃれに見えるか分からない」と頭を抱える人も多いはず。
そこでこの記事では、6畳に上手に家具をレイアウトする方法から、各部屋の実例をご紹介します。
1人暮らしのワンルーム・1Kやリビングダイニング、寝室、子供部屋のレイアウトで困っている人のご参考になります。
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6畳ってどんな間取り?
部屋の広さを表す言葉としては、「畳」や「m2」などが用いられます。
「畳」とは、その部屋の広さが畳何枚分であるかを表現する単位です。日本の床に座るという文化の名残が感じられる、独特な単位ですね。
畳とm2の広さの関係は以下の通り。
- 1畳 約1.6m2(180×90cm)
- 6畳 約10m2(270×360cm)
「何畳」という表記はあいまいな表現なので注意が必要です。
地方によって畳の広さに誤差があったり、賃貸物件によっては目安として表現しています。あくまで参考程度に考えましょう。
家具の大きさは?
代表的な家具の大きさは次の通り。
- ダブルベッド 約1畳半(約2.7m2)
- 2人掛けのソファ 約1畳(約1.5m2)
- 4人掛けのテーブル 約1畳(約1.1m2)
畳の広さを家具に当てはめると、ダブルサイズのベッドは約1畳半、2人掛けのソファや4人掛けのテーブルが1畳分くらいの大きさだということが分かります。
意外と余裕がありそうですが、6畳にいろいろな大型家具をレイアウトすると、あっという間に狭くなります。適切なレイアウト計画が必要です。
家具レイアウトの基本ルール
「通り道」と「視線」を遮るように家具がレイアウトしてあると、居心地の悪い空間に思え、窮屈にさえ感じます。
「通り道」を確保する
生活するうえで快適な部屋にするためには、人の移動がスムーズなレイアウトになっていることが大切です。
たとえば、ベランダの手前にソファをレイアウトしたとします。すると、洗濯をするたびに回り道をしなければなりませんよね?
次第にレイアウトしたソファが邪魔に思え、ストレスに感じてしまうでしょう。人の通り道を遮るような位置に家具をレイアウトすると、部屋は途端に使いにくくなるのです。
部屋の中の移動をなるべく短くするのがレイアウトの基本です。移動が短くなれば、無駄がなくなり、部屋の使い勝手が格段に増します。
6畳の間取り図(平面図)を広げ、「どこを通り、どこに家具があると邪魔か」を考え直しましょう。
「視線の抜け」をつくる
「視線の抜け」とは、部屋を広く見せたり、余分なものを目立たせなくするためのレイアウトテクニックです。
たとえば、大きな窓があるのに、家具や背の高い間仕切りで塞いでしまうとどうでしょう?視線が遮られ、圧迫感を覚えますよね。
反対に、6畳の奥の方にインテリアグリーンが見える、開放感のある窓が見えると、部屋が広く見えてくつろげます。
視線を遮る位置に家具を置かないこともレイアウトの基本です。
部屋に入ったとき、ソファや椅子でくつろぐときなど、それぞれの視点に立って「視線が抜けているか」を確認しましょう。
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ワンルーム・1Kのレイアウト方法と実例
6畳のインテリアレイアウトの基本を、各部屋に応用していきます。
まずは、6畳のワンルーム・1Kのレイアウトの方法と実例から。賃貸に住む1人暮らしの方はご参考にしてください。
必要な家具を絞ることがポイント
6畳のワンルームや1Kでは、衣食住のすべてを1つの空間で行います。
ソファやダイニングテーブル、ベッドやデスクなどのさまざまな家具が欲しいところですが、限られた空間ですので、本当に必要な家具だけそろえましょう。
たとえば、ソファはなくても十分に生活ができます。必要ないのに買ってしまうと、窮屈さを生みます。
実例1:間仕切りで生活を分ける
「来客が来た時に、生活感が見えるベッドを隠したい」そんなワンルームや1Kのレイアウトの実例です。
手前の「空きスペース」には、作業デスクや1人掛けのソファなど、ライフスタイルに合わせて家具をレイアウトしましょう。
間仕切りを選ぶときのポイントは、低めの家具を選ぶこと。背の高い家具は圧迫感を生みます。腰高くらいの高さでさりげなく仕切ることで、視線が抜けて開放感を与えることができます。
実例2:抜け感で広く見せる
部屋に入ったときの視線の「抜け感」を意識して、6畳を広く見せるレイアウトの実例です。
ベッドなどの大型家具を壁際に寄せて、空いたスペースを強調させることで開放感を与えます。
ワンルームや1Kの空間は単調な雰囲気になりがちなので、生活シーンに応じた照明の使い分けで変化を楽しむのも1つの手段です。
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ワンルール・1Kのおすすめ家具
すべての生活が集約されてしまうワンルール・1Kでは、ベッド周りもシンプルにまとめたいところ。
ヘッドレスタイプの脚付きマットレスなら、空間になじみやすく圧迫感もないからワンルームや1Kにおすすめです。
友人を招くときはベッドを大きな布で覆い、クッションをレイアウトすれば、ソファ代わりとしても使えますよ。
リビングダイニングのレイアウト方法と実例
昔の日本の住宅では、リビングとダイニングが別れている間取りが主流でしたが、現在では一体型となったリビングダイニングが増えています。
リビングダイニングは、8~14畳ほどの広さがあると余裕のあるレイアウトができます。一方、6畳しかないリビングダイニングでは、家具のレイアウトに工夫が必要です。
大型家具の配置がポイント
リビングダイニングで主役となるインテリアが、「ダイニングテーブル」と「ソファ」の大型家具。この2つの家具のレイアウトがポイントです。
リビングダイニングは人が集まり、交差する場所なので、「通り道」を邪魔するレイアウトはNG。ダイニングテーブルをレイアウトしたら椅子をひいたときに邪魔になる、などの不便が起きないように注意してください。
実例1:テーブルがメインのレイアウト
我が家のリビングダイニングのレイアウトの実例です。6畳は狭いので、思い切ってソファの購入をあきらめました。
6畳に配置した家具が少ないので、スペースに余裕が生まれ、動きやすいレイアウトです。
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実例2:ソファもテーブルもレイアウトしたい
6畳のリビングダイニングに、テーブルとソファをレイアウトした実例です。
ソファの前の空いたスペースは、子どもたちが遊んだり床でつくろぎたいときに最適。
リビングダイニングのおすすめ家具
6畳のリビングダイニングでは、ソファもテーブルも大きなサイズを購入するのは難しいかもしれません。実際、「大きなダイニングテーブルが置けない」「ゆったりしたソファがレイアウトできない」と悩む人は多くいます。
そんなときにおすすめなのが、ソファとダイニングが一体となった「ソファダイニング」。
ソファダイニングなら、それぞれ別の家具を買うより、スペースも予算も節約ができますよ。
寝室のレイアウト方法と実例
6畳の寝室で大きな面積を占める家具がベッド。
2人暮らしの場合、「ツインにするか」「ダブルにするか」を実例を見ながら検討しましょう。
ベッド周りのスペース確保がポイント
寝室はリビングのように人が行き交う場所ではないので、「ベッド周りの移動」と「ベッドメイキングのスペース」さえ確保すれば問題ありません。
スペースの目安は50~60cm。これ以上狭くなると、シーツの取り換えの時などに不便に感じます。
寝室は、リビングダイニングと比べると限定されたレイアウトになってしまうので、カラーコーディネートや照明を工夫して、自分なりの演出を楽しみましょう。
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実例1:ダブルベッドをレイアウトする
6畳にダブルベッドやシングルベッドを2台くっつけてレイアウトする実例です。
ベッドの左右に適度なゆとりを持たせ、照明や小物が置けるナイトテーブルを両側にレイアウトすれば快適です。
実例2:ツインベッドをレイアウトする
日本のホテルによく見られる、ツインベッドのレイアウトの実例です。中央にナイトテーブルをレイアウトすれば、独立した空間を演出できます。
ただし、ツインはダブルよりもスペースを取ります。6畳ほどの広さでは、ベッド以外の家具のレイアウトは難しいでしょう。
寝室のドアが開き戸の場合、ベッドにぶつからないかよく確認してください。
実例3:寝室にソファとベッドを置く
6畳の寝室に、セミダブルベッドとソファをレイアウトした実例です。
ベッドでテレビを見ることも可能なので、夜だけではなく、日中のくつろぎの場としても使用可能。
ただし、窓・クローゼット・ドアの位置や、6畳の間取りの形によってはレイアウトができません。
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寝室のおすすめ家具
寝室を少しでも広く見せたいなら、ヘッドボードが垂直になっているベッドフレームがおすすめ。
ヘッドボードがカーブを描いているフレームは、その分の幅を余計にとるため、スペースがムダになります。
我が家の6畳の寝室も少しでも広く見せるために、ヘッドボードが垂直になっているフレームを選びました。
子供部屋のレイアウト方法と実例
子供部屋のインテリアを考えるときは、キャラクターグッズなどに頼らないこと。子どもたちのインテリアへの関心やセンスが失われます。
明るくて活動的な色や、お子さんが好きな色をインテリアで取り入れることで、感性を刺激してあげましょう。
デスクとベッド周りの余裕がポイント
1人で使うのであれば、6畳は十分な広さです。2人で使う場合は少し狭く感じるので、家具選びとレイアウトの工夫が必要です。
家具のレイアウトのポイントは、デスクやベッドの周辺のスペースの確保です。スペースに余裕がないと、使い勝手が悪くなり、収納に苦手意識を持ってしまいます。
実例1:1人で子供部屋を使う
子どもが6畳の部屋を1人で使う場合のレイアウトの実例です。
クローゼットがあるなら、手前は60~90cmほどスペースを開けておきます。収納のタイプによって必要な寸法が異なるので、お子さんが実際に収納する動作を確認して、余裕をもってレイアウトすること。
実例2:2人で子供部屋を共有する
お子さんが2人いて、6畳を共有する場合の実例です。
椅子に座っている人の後ろをもう1人が通るようにレイアウトするなら、デスクから壁は100cm前後を空けておくこと。
6畳を広く見せる4つのコツ
6畳の部屋別のレイアウトの実例は以上です。
ここからは、6畳をより広く見せ、居心地の良い空間にするためのコツを4つご紹介します。
フォーカルポイントをつくる
「フォーカルポイント」とは、自然と視線が引き付けられる場所のこと。
6畳の空間にフォーカルポイントをつくれば、部屋に広がりや立体感、テーマ性が生まれ、おしゃれに見せることができます。
フォーカルポイントを作るのは簡単。「広い壁に人を引き付けるようなアートを飾る」「部屋に大きなグリーンをレイアウトする」など、さまざまなアイデアが考えられます。
6畳の至る所にフォーカルポイントがあると、逆に落ち着かない空間になります。1カ所だけに集中させてください。
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色やサイズをそろえる
同じ大きさ、同じ色の家具が並んでいる部屋は、理路整然として美しく見えます。
反対に、サイズや色に統一感がない家具をレイアウトしている部屋は、雑多なイメージしか生みません。
6畳の空間をスッキリと見せるには、レイアウトしてある家具の色やサイズに統一感をもたせましょう。
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レイアウトのムダを省く
一般的に、部屋の広さに対して、家具が占める面積は3分の1が良いとされています。
家具がそれよりも多くレイアウトされている場合、なくても良い家具を減らす努力も必要です。
6畳の場合は、2畳分の広さまで家具がレイアウトしてあるのが理想的。
多くても部屋の40%までにおさえ、6畳の50%以上を家具が占拠しているなら、処分も検討してください。隙間なくレイアウトすれば空間を有効利用できますが、窮屈で居心地が悪くなります。
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遠近法を取り入れる
近くに見えるものは大きく、遠くのものは小さく描く。これは絵画の基本である「遠近法」という技術です。
遠近法は、インテリアのレイアウトでも応用ができます。大きな家具は入り口の手前に、小さな家具は6畳の奥にレイアウトしましょう。実際よりも奥行きが生まれ、部屋が広く見えます。
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まとめ
さいごまで読んでいただき、ありがとうございました。
長々と解説しましたが、6畳のインテリアレイアウトで大切なことを3つにまとめます。
- 移動の邪魔になる配置は避ける
- 視線を遮る家具は置かない
- 「おしゃれ」より「居心地」を優先する
この3つを基本に、6畳の各部屋のレイアウトを考えていきます。
インテリアのレイアウトを考えるのは大変ですし、重い家具を移動するとなると慎重になりがち。ですが、失敗を繰り返さない限り、インテリアのセンスは磨かれません。
失敗を恐れずに積極的に配置変更を行い、自分なりの居心地の良い6畳のレイアウトを見つけてください。
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