リビングをはじめとした空間で主役の家具となる「ソファ」。空間を占める割合が大きいソファは、選び方1つで雰囲気をガラッと変えてしまうことも。
安い買い物ではないだけに、ソファ選びに慎重になってしまいますよね?「どれくらいの大きさのソファが良いのか?」「色の決め方は?」など、判断基準が分からなくて困っているはず。
そこでこの記事では、ソファのサイズ・硬さ・色の選び方を元家具販売員が解説します。
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正しいサイズの選び方
ソファ選びで最優先で考えたいのが、「サイズ」ですよね?
洋服を選ぶとき、自分の体格に合ったサイズを選ぶのと同じで、ソファも「部屋に入るかどうか」を気にすると思います。
しかし、「部屋に入るか」ばかり気にしすぎると、失敗することがあります。
利用者が求めている大きさを考える
ソファの大きさ選びで重要なのが、「自分たちの用途に合っているサイズか」確認すること。
たとえば、部屋が狭いからといって、小さめのソファを買ったとします。すると、2人で使うときにはソファが小さすぎて居心地が悪くなったり、寝ころぶときに脚や頭がはみ出してしまう、なんて事態を招きます。
サイズ選びを間違えた「くつろげないソファ」は、最終的に誰も使わない「置き物」に変わるのです。
部屋に入るか確認することも大切ですが、利用者が求めているサイズであるかを考えましょう。
1人分に必要なサイズは?

1人が座るのに必要なソファのサイズ
では、ソファでくつろぐときは、1人あたりどれくらいのサイズが必要になるのでしょうか?
体格や性別によって必要な大きさが変動しますが、サイズの目安を知っておきましょう。
一般的に、座るスペースは1人分で60cm角が必要です。2人分であれば、幅は最低でも倍の120cm以上が必要。
これ以上広ければ、ゆったりとくつろげることができます。注意したいのは、「ソファ全体の幅」ではなく、「アーム(ひじ掛け)を除いた座面の広さ」という点です。
アームの幅にも注目
ソファのアーム(ひじ掛け)は、デザインや機能面にも大きく影響します。
アームが広ければ、本やスマートフォンを置くスペースを確保することができ、サイドテーブルの必要性がなくなります。
ただし、アームが広ければソファの幅も余計にとるので注意。狭い部屋ではスリムなアームを探しましょう。スペースを節約するなら、ひじ掛けのない「アームレスタイプ」もおすすめ。
寝ころぶことが多いのなら、木よりもクッション性のある低いアームが快適です。
ソファの座面の硬さの決め方
インテリアショップに勤めていた時、ソファ選びで迷っていお客様に声をかけると「どれくらいの硬さが良いのか」と質問されることが多々ありました。
ソファの使用目的で決まる
「どれくらいのソファの硬さが適切か」は、人によって感じ方が違うので、まずは実物に20~30分くらい座って確かめてください。
長時間座ることで、自分に合ったソファが分かります。
ソファに座って確かめることができないのなら、使用目的が「来客用なのか」「くつろぎ用なのか」で決めましょう。
頻繁にお客様を招く家庭で使うなら「硬めの座面」、家族や友人同士でくつろぐことが中心なら「やわらかめ」がおすすめ。
硬めの座面はフォーマルに、やわらかめならカジュアルな座り心地になります。やわらか過ぎてもお尻が痛くなるので、ある程度の固さは必要です。
色や素材などのデザイン面の選び方
サイズの次に気にしたいのが、色や素材などの見た目。
存在感のあるソファは、選ぶデザインによってインテリアのスタイルを大きく左右します。
部屋の雰囲気とのバランスを考える
ソファに使われる主な素材は、「布」「本革」「合成皮革」の3つ。選ぶときのポイントは、インテリアのスタイルです。
ナチュラルで温かみのある雰囲気が好みなら「布」、モダンやクラシカルな演出をしたいなら「本革」や「合成皮革」がおすすめです。
機能面でもそれぞれのメリット・デメリットがあるので、十分に検討してください。
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色はソファの存在感に注意
ソファの色選びのポイントは、「部屋の中で何を目立たせたいのか」を決めること。
ソファを目立たせたいのなら、アクセントになる色を選びます。色は心理的に大きな影響を与えるので、インテリアのイメージに合った色を選びましょう。
反対に、ソファを主張したくないのなら、壁に近い色を選んで目立たせないようにします。
ソファは比較的大きな家具なので、部屋が狭ければ落ち着いた色を選ぶと良いです。
クッションの数にも注目
見落としがちですが、3人掛け以上のソファを選ぶ場合は、クッションの数にも注目してください。
「3人掛け」と記載があるソファでも、クッションやシートが2つしかないと、3人で並んだ時に真ん中の人がつなぎ目に座ることになります。
3人で座る機会が少ないのであれば、それほど気にする問題ではありません。
店頭でソファを選ぶ場合の注意点
リラックスした状態で選ぶ
お店でのソファ選びで大切なのは、自宅で使用するときの感覚で選ぶこと。靴や上着を脱いで、足を伸ばして深く座ります。深く座ることで、目線や座り心地も少し異なってきます。
家にいる気分で座ってみることで、本当の座り心地が分かります。
色が違って見える
お店と自宅の照明の違いや、自然光の当たり方、室内に入る光の量によって、微妙にソファの色にも違いが出てきます。革製品のソファは個体差があるほか、経年変化による風合いの違いもあります。
お店の人によく確認してから選びましょう。
お店のソファは小さく見える
ソファを購入して、部屋に置いてみると、お店で展示してあったソファよりも大きく感じることがあります。インテリアショップは、天井が高く、周りに壁がない開放的な空間になっているので、ソファが少し小さく感じるのです。
お店の見た目で判断するのではなく、必ずサイズを確認しておきましょう。
まとめ
ソファの選び方のポイントをまとめます。
- 「部屋の広さに合ったサイズ」ではなく「用途に合ったサイズ」を選ぶ
- 座面は1人分で60cm角が必要
- ソファの幅はアームを除いた長さを見る
- 来客用なら「硬め」、くつろぐ用なら「やわらかめ」がおすすめ
- 色や素材はインテリアのイメージに合わせて選ぶ
ソファはくつろぐための家具なので、実際に座り、時間をかけてゆっくり選びましょう。
近くにインテリアショップがない場合は、通販サイトで購入する手段も考えられます。通販を利用する場合は、利用者のレビューが参考になります。
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