「インテリアは好きでも、照明はちょっと苦手」という人は少なくありません。実際、照明について調べると専門用語が多く出てきたり、種類もさまざまで混乱してしまうでしょう。
ですが、生活に必要な明るさをつくる照明は、インテリアの雰囲気づくりにも欠かせない重要な存在。ちょっと工夫するだけで、部屋の見え方も気持ちまでもグッと良くなるものです。
では、難しそうな照明計画はどうやって進めるべきなのか?
この記事では、
の3つの章に分けて詳しく解説します。
はじめての模様替えや引っ越しで、おしゃれな照明の部屋にしたい!と思っている方のご参考になります。
覚えるべき照明器具の種類
まずは、どんな照明器具があるのか?を覚えておきましょう。
照明器具にもいろいろなさまざまな形状・構造・性能のものがあり、それぞれの立場で分類がされています。
この章では、住宅によく使われる照明器具のうち、取り付け位置で分類した人気の照明器具を7つご紹介します。
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住宅によく使われる屋内の照明器具の種類とその名前まとめ
照明器具にもいろいろなさまざまな形状・構造・性能のものがあり、それぞれの立場で分類がされています。ここでは、住宅によく使われる照明器具のうち、取り付け位置で分類した7つの照明器具をご紹介します。
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シーリングライト
シーリングライトとは、天井にピッタリくっ付けて取り付ける照明器具のこと。部屋を均一に明るくします。リビングや子ども部屋の天井によく使われ、住宅の主照明となります。
ダウンライト
ダウンライトとは、天井に埋め込むタイプの照明器具のこと。床面に向かって光を放ちます。器具自体を天井に埋め込むため、スッキリと見えるメリットがあります。
ペンダントライト
ペンダントライトとは、天井からコードやチェーンで吊り下げる照明器具のこと。ダイニングテーブルの上やキッチンカウンターの上に取り付けるのが一般的です。
スポットライト
スポットライトとは、集光性があり部分的に明るくしたいときに使う照明器具のこと。壁に飾った写真や絵などを集中的に照らすのに向いています。
ブラケット
ブラケットとは、壁や柱に取り付ける照明器具のこと。壁面が明るくなるため、部屋に奥行きをもたらします。
スタンド
スタンドとは、コンセントで移動ができる自立式の照明器具のこと。背の高いフロアスタンドは部屋のコーナーに置き、卓上タイプのテーブルスタンドはナイトテーブルの上に置いて使うなどができます。
フットライト
フットライトとは、足元を明るく照らす照明器具のこと。夜間の歩行時の安全性を高めるため、階段や廊下などに設置されることの多い照明です。
照明計画のポイントはこの3つ
次に、照明計画のポイントを知りましょう。
各部屋の照明計画のテクニックは次の章で解説していますが、その前に、各部屋共通で使える照明計画のポイントを知ることが大切です。
照明計画のポイントは
の3つです。
1室多灯にする
照明の役割は、暗いところを明るくし、快適に暮らせるようにすること。ですが、「天井の真ん中にシーリングライト1灯だけ」という照明では、表情が乏しいインテリアになりがち。
インテリアにおいては、単純に明るくすれば良いわけではなく、部屋での生活行為をよく考え、それに応じて光の色味や照らし方にこだわることが重要です。
ポイントは、複数の照明器具を設置すること(=1室多灯)。1室多灯にすることで、各行為に必要な明かりをつくれるだけではなく、光が混ざり合い、さまざまな陰影が生まれます。すると、のっぺりとした雰囲気から、立体感のある部屋に様変わりします。
光色を使い分ける
光色とは、光の色味のこと。光源には色味があり、この光の色味は人の心理に影響を与えます。たとえば、オレンジの光色は人の気持ちをおだやかにさせ、青白い光色は人を活動的にさせますよね。
照明計画においては、時と場所にあわせた光色の使い分けが重要になってきます。
温かみのあるオレンジの光色は、寝室やリビングでのくつろぎのとき、ダイニングでゆっくり食事をするときなどに使用します。青白いさわやかな光色は、日中のリビングや子ども部屋に向いています。
光源の色味は色温度(K・ケルビン)で表し、色温度が高くなると青白いさわやかな色、低くなると温かみのあるオレンジ色になります。電球に記載があるので、色温度を確認してその部屋に合った光色を選ぶと良いでしょう。
光の高さを変える
同じ光でも、光の高さを変えるだけで見え方も感じ方もまったく異なります。
- 高い位置の光:活動的な雰囲気に
- 目線の高さの光:水平面の広がりを感じる
- 低い位置の光:くつろげる雰囲気に
天井からの光は、昼間の太陽と同じように人の気持ちを活動的にさせます。シーリングライトがこの光の代表例。反対に、夕焼けのような低い位置からの光は、ドラマチックで非日常的な雰囲気に。低い位置からの間接照明などが良い例です。
シーンに応じた使い分けができるよう、高さを変えて複数の照明を設置しておき、さまざまな表情が楽しめるようにしましょう。
各部屋の照明テクニック
さいごに、実際の部屋ではどのように照明を計画するのか?学びましょう。
ここでは、
の3つの部屋の照明計画をご紹介しています。
リビングの照明選び
- 過ごし方が多様なので、多様性のある照明計画をする
- 主照明と補助照明をうまく組み合わせる
- 光色は「白」と「オレンジ」の使い分けができるように
リビングは、起きている間でもっとも過ごす時間が長く、それだけに使い方の幅が広い空間。もっとも「1室多灯」にこだわるべき部屋で、多様な使われ方に対応させることが必要です。
ポイントは、「シーリングライト」「ダウンライト」などの主照明を軸に、「スポットライト」「フロアスタンド」「ブラケット」などの補助照明を上手に組み合わせること。日中は主照明で明るくし、日が落ちたら主照明を消灯させ、補助照明を点灯して雰囲気を良くすると過ごしやすくなります。
光色は、「活動的な日中」と「くつろぎたい夜間」に対応できるよう、青白い光とオレンジの光色を使い分けができるようにしましょう。
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ダイニングの照明選び
- テーブル面を照らす
- 照明器具は「ペンダント」や「スポットライト」がおすすめ
- 光色は温かみのあるオレンジを使用する
ダイニングは、テーブルを囲んでゆっくり食事をすることが目的の空間なので、その目的にあった照明計画を行います。
ポイントは、テーブル面を照らして明かりだまりをつくること。これだけで人の視線を食卓の上の料理に集中させ、暖かい雰囲気を演出できます。
テーブル面を照らすのに適した照明器具は、「ペンダントライト」や「スポットライト」です。好みに応じて選択しましょう。
光色は、青白い光よりもオレンジ色の方が料理が美味しく見え、かつダイニングを囲む人の顔色が良く見えます。ただし、ダイニングで勉強などの作業もするなら、光色が切り替えられる電球を選ぶこと。
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寝室の照明選び
- 光源が直接目に入らないようにする
- 照明器具は「スタンド」「フットライト」がおすすめ
- 光色はくつろげるオレンジを使用する
寝室の照明計画で大事なのは、睡眠を妨げないこと。光源が目に入ったり、青白い光色を使うとまぶしく感じ、睡眠を妨げます。
シーリングライトはまぶしすぎるため、特別な理由がない限り寝室には使用はしません。おすすめは、ベッドサイドに置いた「テーブルスタンド」や、夜間にトイレに起きたときに便利な「フットライト」です。
光色はオレンジ色を使用してください。
寝室は他の部屋とは違って移動が少ないため、リビングのような明るさは不要。極端な話、主照明はなくても大丈夫です。少し暗い方がくつろぎや安らぎを感じ、安眠ができるでしょう。
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まとめ
照明の目的は、単に生活に必要な明るさをつくることだけではありません。部屋ごとに、そのときの行動や気持ちに最適な光をつくり、ライフスタイルを豊かにすることが最大の目的です。
ポイントは、1室多灯にすること。部屋ごとに、「この部屋には、こんな光が必要だな」「この場所ではこんな風に過ごすから、こんな光色があると良いな」と想像し、使い分けができるようにすると、暮らしやすさも雰囲気もグッと良くなります。
ただ、照明は実践しない限り分かりにくい部分もあるので、とにかくいろんな照明器具を買って、部屋を光らせてみて、試行錯誤することが大切です。失敗を繰り返すことで、照明スキルが確実に伸びますよ。