子供部屋の照明を考えるとき、「とにかく明るくすれば良い!」と考えていませんか?
たしかに、勉強や読書をするときに十分な明かりの確保は大切です。
しかし、光の影響を受けやすい子どもは、子供部屋の照明が明るすぎると、成長に悪影響を及ぼす可能性があるのです。
では、子供部屋の照明はどのような点に注意し、計画すれば良いのでしょうか?この記事で詳しく解説します。
大切なのお子さんのためにも、さいごまでしっかりとチェックしましょう。
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子供部屋が「明るいだけ」ではNGな理由
子供部屋の照明でよく見かけるシーリングライト。
スイッチ1つで部屋全体を明るくしてくれる手軽さが人気ですが、子供部屋の照明にはもっと工夫が必要です。
シーリングライトだけで済ませると、お子さんの発育に良い影響を与えません。
目が悪くなる
子どもは大人以上に光の影響を受けます。
あるデータでは、「明るいままの部屋で眠っていた新生児の半分以上が、目が悪くなった」という結果が出ているのです。さらに、暗いはずの夜間に明るい光を浴び続けると、体内時計も狂います。
まぶしい光は、目を傷めるだけではなく、体内リズムも崩すのです。
また、「明るい場所」と「暗い場所」のコントラストが強すぎるのも良くありません。
子供部屋が明るいのに手元だけが暗いと、目が「部屋の明るさ」と「手元の暗さ」に交互に微調整を繰り返して、視力低下の原因になりかねません。
センスも悪くなる
私自身、幼い頃の子供部屋の照明は、味気ないシーリングライトのみでした。当時は日本全体がインテリアへの関心が薄かった時代でしたので仕方ありません。
しかし、照明やインテリアのセンスを養うには、小さいころから「さまざまな種類の明かりに触れること」と「光のコントロール方法を覚えさせること」が重要です。
シーリングライトのような雰囲気のない照明だけで、お子さんがインテリアに興味を持つでしょうか?
照明には、デスクライトやクリップライトなど、デザインも機能も違う個性豊かな種類があります。
自分で心地よい明かりを調整できるように教えてあげることも、大切な教育の1つ。
子供部屋の照明を変えて、お子さんの感性を磨く環境を整えてあげてください。
子どものための照明計画のポイントは?
子供部屋は、快適に勉強ができ、ぐっすり眠れる環境を照明でサポートしてあげる必要があります。
「勉強用」と「就寝用」の照明環境を整えてあげましょう。
具体的なポイントは3つ。
- 勉強時の手元の影をなくす
- 部分的に明るいのを避ける
- 寝る前はやわらかい光を意識
勉強時の手元の影をなくす
子どもがデスクで勉強や読書をするときに、手元が暗いと視力低下の原因を生みます。勉強の効率も悪くなり、集中力が落ちる可能性もあります。
子供部屋の勉強机に備え付けの照明がある場合でも、手元に影ができていないかチェックしてあげましょう。
最近はリビングで勉強するお子さんも増えてきていますが、子供部屋以外で勉強をするときも、「手の影が文字と重なっていないか」を確認してください。
手元が暗い場合は、利き手の反対側にスタンド照明を置き、影ができないように工夫しましょう。
部分的に明るいのを避ける
手元の影ができないように照明を設置しても、極端に手元だけを明るいのも注意。
子供部屋全体がうす暗いのに、勉強机に備え付けてある照明や、置き型のスタンド照明の光が強すぎると、照り返しで子どもの目を傷めます。
「部屋全体を明るくする照明」と、「部分的に明るくしてくれる照明」を上手に組み合わせてあげましょう。
子供部屋の明るさと、手元の明るさに大きな差がなければ問題ありません。
寝る前はやわらかい光を意識
勉強をするときに明るさを確保することは大切ですが、寝る前は、子供部屋の照明を「就寝用」に切り替える必要があります。
人の体のリズムをつくるのは明かりです。
夜は暗い環境で過ごし、日の出とともに太陽の光をいっぱい浴びると、適切な体内リズムが生まれます。
寝る前も暗い環境で過ごすのが理想ですが、子供部屋の照明が明るすぎると、体内リズムが崩れて寝られない原因を生みます。
体内リズムを整えるためにも、寝る前はオレンジ色のリラックスできる照明を中心に設置しましょう。
子供部屋の照明をやわらかい光に切り替えるだけで、自然と体が寝る準備に入ります。
もちろん、夜も子供部屋で勉強するなら、明るさを確保することが重要です。
子供部屋におすすめの照明
子供部屋の照明の重要さが分かったら、さっそく照明を探しにいきましょう。
子供部屋におすすめの照明をピックアップしておくので、選ぶときのご参考にしてください。
明るさを調整できる天井照明
ほとんどの住宅には、すでにシーリングライトなどの天井照明があると思います。
わざわざ買い替える必要はありませんが、これから新築や引っ越しで必要な場合は、子供部屋にシーリングライトを手に入れておきましょう。
子供部屋の天井照明は、明るすぎても悪影響なので、適度な明るさに調整できる機能がついている天井照明がおすすめ。
ただし、シーリングライトだけでは視力低下の原因を生んだり、お子さんが照明に興味を持たなくなります。他の照明も組み合わせてくださいね。
天井にペンダントライトやスポットライトを取り付けると、明るさが足りない場合もあります。導入の際には十分に注意してください。
手元を明るくするデスクライト
子供部屋に天井照明があっても、机に座ったときに、子どもの体で手元が影になります。
勉強机に付属の照明があっても、見る角度によっては光が反射し、目を傷めます。
目の負担を軽減させるためには、手元をピンポイントで明るくし、角度を調整できるデスクライトが最適。さらに、照り返し対策の調光機能があれば文句なし。
デスクライトがあれば、光の角度や強さを自分でコントロールできる力が身に付きますよ。
未就学前のお子さんであっても、子供部屋のベッドサイドに配置すれば、絵本を読むときに活躍します。
アレンジできるクリップライト
クリップライトは、子供部屋のどこにでも置ける便利な照明です。
お子さんが趣味で集めているコレクション、子供部屋に飾ってある絵、自慢のトロフィーなどを、クリップライトで簡単に照らすことができます。
お気に入りのモノを照らすだけで、対象物が魅力的に見えますし、お子さんがインテリアに興味を持つきっかけを生みます。
値段も手ごろなので、試しに設置するのも良いかもしれません。
実際に子供部屋にクリップライトを取り入れるときは、電球が熱くならないLEDに交換しておきましょう。
子供部屋以外の明るさの配慮も大切
「寝る前に、子どもが寝てくれない」と困ったことはありませんか?
寝つきが悪いときは、子供部屋以外の照明も気にしてあげる必要があります。
お風呂に入った後は就寝用に
お風呂に入ると、体はリラックスモードに入ります。
体も脳も就寝する態勢に切り替わっているので、そのままベッドに行けば、すぐに眠れるでしょう。
ところが、リビングやダイニングの照明がまぶしいくらいの光だと、子どもの脳や体が興奮して目が覚めてしまいます。
せっかくリラックスモードに入ったのに、照明のせいで眠れなくなるのです。
「なかなか子どもが寝てくれない」と感じたら、子どもがお風呂から出たら、家の照明をすべて「就寝用」に切り替えてください。
スマートフォンやタブレット端末も脳への刺激を与えるので、就寝の1~2時間前は操作をしないように注意しましょう。
まとめ
子供部屋の照明のポイントをまとめます。
- まぶしい光は目を傷め、体内リズムも崩す
- 照明を工夫すれば子どものセンスが磨かれる
- 手元が暗くならないように注意する
- 部分的に明るいのも避ける
- 就寝前はやわらかい光にする
子供部屋は、単純に明るくすれば良いのではありません。「勉強用」と「就寝用」のシーンに合わせた明るさを確保してあげましょう。
天井にはシーリングライトがすでにあると思いますが、最低でも、デスクライトぐらいは設置することをおすすめします。
子供部屋の照明を工夫してあげれば、お子さんの目に良い影響を与えるほか、デザインに興味を持つきっかけを生みます。
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